まつおか眼科クリニック「院長ブログ」

2021年07月の日記

東京都に4回目の「緊急事態宣言発令」

埼玉県の「マンボウ」も延長されましたが、この界隈の高齢者のワクチン接種に終わりが見えてきました。希望なさる方は、今月半ば迄には1回目を接種できるようです。自院でワクチン接種が行えない分、ほぼ毎週の日曜日に「朝霞市ワクチン集団接種」のお手伝いに、看護師と一緒に行っていますので、とても嬉しいです。

最近話題に上る案件

・医療従事者だって、接種を受けない自由がある
・若い人はコロナに感染したって殆ど無症状で済むんだから、副反応が出やすいワクチンを受けるのはバカバカしい
・コロナに罹れば、ワクチンを打ったのと同じ
・コロナ ワクチンをすると、不妊になるらしい
・子供にワクチン接種って、大丈夫なの?
・変異株に効きにくいワクチンを打つ意味ってあるのか?

これらを目にしたら『ワクチンの本当の話』をしたくなりました。

今、日本で接種が行われている二種類は、どちらも「m-RNAワクチン」です。開発はとてもスピーディーでしたが、ずっと前から研究されていたものでしたから、初めてで怖さはあるけれど、非常に優れているワクチンです。皆さま御存じ「スパイク蛋白」を作る為だけの遺伝子全部が入っていて、非常に不安定…強い振動、普通の冷凍でも壊れてしまう。我々の体にワクチンが入ると、我々の細胞に取り込まれ、その細胞が効率よく「スパイク蛋白」を作る。それを免疫細胞がキャッチして抗体を新たに作る。この過程で使われた「m-RNA」や、「m-RNAを取り込んでスパイク蛋白を作らされた細胞」は数日で速やかに代謝され、アミノ酸等になります。そして、体には次に本物のコロナウイルスが入って来た時に素早く抗体を産生するための記憶「中和抗体」だけが残る。…これがワクチンの効果です。

その稀弱性ゆえに、ワクチンは体内のほかの部位に移動する間もなく、その場で短期間に代謝されてしまいます。だから、精巣や卵巣・子宮までたどり着かない。

コロナウイルスに感染した時の抗体産生システムは、スパイク蛋白以外にウイルスのほかの部分もバラバラになったものに対して免疫細胞が反応するので、非常に効率が悪い。よって、コロナウイルスのスパイク蛋白に対する抗体の割合が減るので「自然感染者の方が感染防御に有効な中和抗体値が低い」と言う事が起きます。

コロナウイルスの変異は非常に早く、スパイク蛋白のごく一部が変化します。彼らが生き延びるのに より有利に変異できると広まっていきます。今回のワクチンはスパイク蛋白の「全コード」が入っているので、遺伝子が総取り換えにならない限り、効果は少し弱まっても続きます。現在恐れられているデルタ株は、ワクチン接種後も感染の可能性は従来より少し高まりますが、重症化はほとんどなく、ワクチンの当初の目的は十分達成されています。
インド型のデルタ株は若い人が罹っても重症化しやすく、恐れるべき存在です。

コロナウイルス感染の後遺症として、沢山の報告が上がっています。
・倦怠感、脱力
・睡眠障害
・頭髪の脱毛
・味覚、嗅覚の異常
・動悸、関節痛、食欲不振
・精子数の減少
・ED(勃起障害)etc.
怖いのは「これらは決して重症者だけでなく中等症・軽症患者でも起こっている」と言う事です。

確かに若い人がコロナに感染した場合、無症状の事が多く、でもウイルスは排出しますから、知らないうちに他人に移します。
ワクチン接種後の感染では、ウイルスの排出量が半分以下に減り、他人に非常に移しにくくなります。
これが、医療従事者だったらどうでしょうか?医療施設に来る、体の弱った相手に移しやすい人が働いているとしたら… 私だったら、高齢の親や、かわいい子供をそんな施設には連れて行きたくありません。
私自身はワクチンについても色々調べ、学びましたので不安はありませんでしたが「現場に立つ一医療人としての役割」として、ワクチン接種を受けました。
当院で働くスタッフも、よく理解してくれていて、全員接種を終え2週間経っています。
そして、全員が2週間経ったこの7月5日(月)から『スタッフルームではマスクを外して過ごして良い』ことにしました。

高齢者のワクチン接種者が増えれば「死亡率・重症化が減る」
若い人のワクチン接種者が増えれば「感染者数が減る」のです。

アレルギーがあったり、病気によってワクチン接種が出来ない人が受けないのは仕方ないです。でも、出来るだけ多くの人がワクチン接種をしなければ、今の窮屈で不便・不安な状況は続く…と言う事を、自由を取り戻したい若い人にこそ解って頂きたいと思っています。

単身者・独居の若い人が、『ワクチン接種後の副反応が出たらどうしよう…』と不安がっている、という話を聞きました。確かに若い人の方が出やすく、より重い傾向にあります。ただ、本当に重症の「死んでしまいそうな」副反応は通常30分程度で出てきますし、それ以降に出てくる副反応の多くは「頭痛、発熱」辛ければ市販の解熱鎮痛剤、何を使っても大丈夫です。以前のブログでは「アセトアミノフェン」と書きましたが、コロナに罹ったわけではなく、原因がワクチンですので、他の薬でも安心して使って下さい。熱が出ても水が飲めて食べられて、辛くなければ、そのまま様子をみるのもアリです。1〜2日籠れる様に食材を買い込んで臨んで下さい。
その際、職場や学校では、「ワクチン接種の翌日を公休にする」もしは「休みの前日に接種を受けてもらう」「業務に支障ないように分散して計画する」配慮が必要です。
長い人は2〜3日かかる場合もありますから、職場や学校はその心構えも必要です。

現在、米ファイザー社は6ヶ月〜11歳に対する研究が進行中ですので、近い将来 もっと小さい子ども達も接種券を受け取ることになるでしょう。それが済めば、彼らは小学校や幼稚園・保育園に苦しいマスクを装着せずに、また通えるようになるのです。学校の各所に置かれたアルコール消毒液を頻回に使用するために、手荒れがひどく、アトピー性皮膚炎が悪化している子もいますので、私は子供へのワクチンにも期待しています。

今までの「新型コロナワクチン接種」で後れを取ってしまった日本が、オリンピック / パラリンピックを控えているにもかかわらず、直前に緊急事態宣言発令となってしまった事、さぞかし無念であろうと推測されます。
が、米英と同時期にワクチン接種が始まらなかった時点で、とても間に合わず、こうなることは想定内でした。
過去にもあった、ワクチンの副反応に過敏になって、なかなか承認が進まない、自国の医師からも「ワクチン後進国」と言われる日本です。
余談ですが、残念ながら現状が続けば、子宮頸がんで若い女性が亡くなる先進国は、そのうち日本だけになるでしょうね。

インフルエンザ同様、新型コロナウイルスと共生するために、今回のワクチン接種が活かされることを心から願っています。

(2021.7.8[Thu])

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